根管治療とは
これまで歯科医院で「歯の神経まで虫歯が進行している」と言われた経験がある方もいるのではないでしょうか。
根管治療は、初回の治療が最も成功率が高いため、この段階で、適切な治療を受けることが、歯の寿命を延ばすことにつながります。
このような場合に根管治療が必要かもしれません
虫歯が進行して、痛みが強い
虫歯が神経(歯髄)にまで進行すると、歯がしみたり痛んだりします。そうなると細菌に感染した神経を取る処置=抜髄(ばつずい)をする必要があります。
歯を噛んだ時に痛むようになった
虫歯の進行度や、打撲などで歯を強く打ち付けることで、神経が死んでしまうことがあります。その死んだ神経が腐ってしまい、細菌が根の先まで達して細菌感染すると、噛んだ時に痛みが出ます。
歯茎に膿が溜まっている、腫れて痛い
歯の神経が死んでできた空洞に細菌が繁殖すると、膿の袋ができます。特に初期症状はありませんが、体の抵抗力が落ちると腫れがひどくなり、痛みが出ることがあります。蓄膿症の原因になる場合も。
歯茎に白いできものができた歯茎にできる白いニキビのようなできものは、歯の根の先に溜まった膿が出てきたものです。膿を出すことで一時的になくなりますが、溜まると繰り返し出てきます。膿は臭いため、それが口臭の原因になることも。
マイクロスコープを用いた精密治療を実現
根管はとても細く複雑な構造です。根管内から汚染された神経や血管を完全に除去する治療には高度な技術が求められます。根管内に細菌が残ってしまうと、再治療が必要になり患者さまに負担がかかってしまいます。
当院では、肉眼の約25倍視野を拡大できるマイクロスコープを用いて根管内を拡大し、今まで見えなかった細部まできっちりと確認することで、より精度の高い治療を行ってまいります。
根管治療の流れ
1:治療時の感染を予防
治療時に唾液や歯石などの飛沫が歯の中に少しでも入り込むと、再感染のリスクが高くなり再治療が必要になります。治療対象となる歯のみを露出させて細菌の侵入を防ぐための徹底した感染予防を行っています。
2:根管の清掃・消毒
歯を削って根管を露出させ、細菌感染した歯髄(神経や血管)や歯根の先に溜まった膿などを取り除いていきます。膿を完全に取り除いてから消毒を行い、複雑なかたちをしている歯の根の中の形を整え、隅々まで消毒液を入れて蓋をします。この作業を、完全に消毒できるまで繰り返します。
3:充填剤で密封
歯の神経の管を消毒した後に、充填剤(薬剤)を入れて密封し、細菌や空気の入る余地を減らします。
歯の神経がなくなった歯は再感染しやすく、管の中に空気が入ってしまうと痛みを感じたり再感染の恐れがあるため、薬剤で密封し、細菌の入る余地を無くします。
4:レントゲンで確認
歯の根の中に薬を入れた後、レントゲン撮影をして根の先までしっかり充填剤が入っているか確認します。
ぴったりと隙間なく薬剤が入っていないと痛みや再感染の原因となるため、再度入れ直すこともあります。
5:被せ物の装着
レントゲン撮影をして、歯の根の中に完全に薬が入っていることが確認できたら、土台となるコアを入れ、被せ物(クラウン)を装着し、治療終了です。
6:メンテナンス
残った歯を健康に保つためにも、ご自宅での毎日のケアはもちろんのこと、歯科医師によるメンテナンスや歯科衛生士によるクリーニングを定期的に受けることをおすすめします。